2004年12月26日スマトラ島沖地震

〜速報2〜

日本列島を通過する表面波のアニメーション
Animation of long-period surface waves
travelling through the Japanese Islands

北海道大学大学院理学研究科
地球惑星科学専攻
グローバル地震学研究室 吉澤 和範



2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島沖で発生したマグニチュード9.0の巨大地震では,地球を何度も周回する長周期表面波が記録されました(下記の関連情報を参照).

日本全国に展開されたF-net観測網(防災科学技術研究所)によって記録された長周期表面波記録が日本列島を何度も往来する様子をGIFアニメーションにして視覚化しました.

関連情報
 地球を周回する表面波の検出(地震波形記録)


・概要:
F-net 観測網によって日本列島全域で記録された地震記録に,地震発生直後から20秒毎に,各観測点の波形振幅の大きさに応じて色を付けて画像化し,それらを連続的に表示してアニメーション化しました.なお,観測波形には周期200秒〜330秒までのフィルターをかけています.

時間発生直後から,6万秒後まで作成しています.全体の時間は大変長いため,ファイルのサイズが大きくなりすぎないよう,5000秒毎にファイルを区切っています.(各ファイル内の画像コマ数は250コマです.)

・GIFファイル: (ダウンロード可)
  
(注:各ファイルの大きさは約6.5MBです.)

・動画の解説:

図にはカラーバーを示していませんが,青系の色が正,赤系の色が負の振幅を示しています.黄色はゼロ振幅です.

スマトラ島沖の地震の場合,”R1, R3, R5, ...”は日本列島の南西側から,”R2, R4, R6, ...”は日本列島の北東側から入射します.(表面波の各相の到達時間については,関連ページ”地球を周回する表面波の検出”で報告されている地震記録を参照ください.)

地震発生後6,000秒付近で,北東側から入ってくる波は,基本モードのR2ではなく,高次モードのX2です.その後,7,500秒前後にX3が南西側から入り,さらにその直後に北東側からR2が入ってくる様子が見られます.基本モードと高次モードの伝播速度の違いに注目して見てください.(この周期帯(周期200-330秒)における,基本モードレイリー波の群速度は約3.6km/s,一次の高次モードレイリー波の群速度は約5.7km/sです.)

45,000秒後以降は,振幅がかなり小さくなっているので,前半の記録と同じカラースケールでは,伝播の様子はあまり明瞭ではありません.振幅を10倍に拡大したアニメーションも作成しましたので,そちらをご覧ください.ただし,この時間帯では,直達表面波以外のフェイズも多く含まれています.地震波記録と比較しながらご覧ください.

謝辞:今回用いた地震波形記録は,防災科学技術研究所のF-net観測網のデータを利用させていただきました.

最終更新日:2005年1月18日

このページに関するお問い合わせは吉澤まで.